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  米国大統領選挙の不正疑惑

​  2020.11.20

 

 この度の米国大統領選挙では、民主党元副大統領のバイデン候補が勝利宣言しているが、大統領トランプは敗北を認めず、選挙に不正があったとして、法廷闘争に持ち込んでいる。11月19日現在、バイデンは各国首脳と電話会談を行ったり、大統領首席補佐官に最側近のスタッフの起用を発表するなど、勝利を確実なものとアピールし始めている。閣僚人事の検討も進めているとみられる。一方、トランプ側は、選挙が不正であるとして告訴しているが、それらは証拠不十分として、あるいは不正があったとしても選挙結果を左右するほどのものではないなどとして却下されている。いろいろ情報が飛び交っていて、確実なことは全く分からず、混迷が続いている。ともかく決着まで長引きそうである。

 この度の米国大統領選挙で、明確になっていることがある。それは、調査機関の選挙の事前予測がバイデン圧勝と発表し、民主党支持の大手メディアがバイデン候補の優位を強調するパターンが一貫して続いたが、開票結果はトランプが予想外に多くの票を集め、史上まれにみる大接戦であったことである。世論調査結果そのものが、民主党政権寄りに偏向したものであり、その結果を受けて米国の主要メディアの極端な民主党支援とトランプ大統領に対する異常な攻撃が行われたということであろう。また、投票日当日深夜の接戦州での開票ではトランプ優勢という状況が翌日にはバイデン優勢に変わったことについて、この間のバイデン票の非常に不自然な伸びは、バイデン候補に有利な郵便投票結果の集計が始まった結果であるということを差し引いても、説明がつくものではない。何らかの選挙不正が行われていたとみるべきであろう。

 米国はデモクラシーの国である。デモクラシー(民主制)は、自由で開かれた体制であるので、外国からの干渉を受けやすく、非常に脆弱である。特に一国の元首を決める大統領選挙は、干渉を受けやすいといえる。歴代の米国政権でトランプ政権ほど、中国共産党の経済・軍事活動を制限しようとしている政権はなかった。トランプが再選されることになれば、中国はさらに国益を損ねることは必至である。このため、中国共産党はトランプの再選を阻止しようとして、何らかの手段で今回の大統領選挙に介入してきたことは間違いなかろう。中国共産党は、1999年以来、通常戦に加えて、国家テロ戦、外交戦、諜報戦、金融戦、ネットワーク戦、法律戦、心理戦、メディア戦などあらゆる手段、あらゆる場所を戦場とする“超限戦”を外国に仕掛けている。大手メディアが中国共産党の工作を受けて民主党よりの偏向報道をしたり、中国からバイデンを有利にする大量のフェイク投票用紙がカナダ経由で送られてこようとも別に驚くことではない。デモクラシーを維持するためには軍備と共に防諜体制が必要であるとされる所以であり、米国の防諜体制が機能しているのかどうかが問われるところである。

 米国は、近世に出現した未熟な宗教国家である。現在でも国民の半分以上が本気でGODを信じていると言われる。米国建国当時、その宗教的な信条は独立宣言に影響を与え、独立宣言には「全ての人間は平等に造られている」として、「生命、自由、幸福の追求」の権利が謳われた。しかるに、その起草者であるジェファーソンは200人もの黒人奴隷を所有していて、残酷な人権侵害を行なっていた。これを矛盾と思わない身勝手さと偽善性が、その後の米国の意識を規定してしまったと考えられる。そして善も悪も併せ持つ宗教的過激性でもって、必要とあれば手段を選ばず目的を達成しようとした。米国民は「マニフェストデスティニー(明白なる使命、神の思し召し)」とする使命を掲げ、アメリカ原住民を虐殺し、土地を奪った。西部「フロンティア」が事実上消滅すると、「マニフェストデスティニー」は米西戦争や米墨戦争や米比戦争、ハワイ諸島併合、合衆国の帝国主義的な領土拡大や、覇権主義を正当化するための言葉となった。日米戦争はこの延長線上にあり、その末期にはジュネーブ条約やハーグ陸戦条約に反し、広島、長崎に原爆を落として民間人を大量に殺した。デモクラシーの本家本元である米国で、民主制の根幹をなす選挙制度で今回のような不正が行われようと別に驚くことではない。目的達成のためには手段を選ばない、身勝手で偽善の国民性だからである。不正票は共和党トランプ側にも当然あっただろうが、民主党バイデン側では民主党支持者、その他中国共産党などの工作による不正票で、選挙結果を決定する圧倒的多数の不正票がバイデンに加算されたと考えるのが妥当であろう。

 

 トランプは、プロテスタント・カルビン派の長老派という教派の信者である。長老派の信者は、自分の能力を神様のために一生懸命働いて成果を社会に還元するという生き方をするようである。そして逆境にも強いそうだ。元外務省分析官で作家の佐藤優氏によればトランプは「世のため、人のために自分は大統領になった。これは神様に命じられているからだ」と思っているらしい。神がかりだから、ある意味厄介である。トランプは今回の大統領選挙で選挙不正を告発している。この告発で米国のデモクラシーが機能しているかどうか、少しは地に落ちた米国デモクラシーの名誉回復がなされるかどうかが明らかになろう。この告発に対する司法の裁定プロセスとその結果は大いに注目されるところである。

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