朝鮮考
-反日の源流-
NHKの歴史番組について
ー 「F.D.ルーズベルトと太平洋戦争」を歴史番組にー
2021.8.10. NHK ご意見・お問い合わせに投稿
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NHKでは毎年、夏になると、先の戦争について様々な番組が放映されます。
今年もNHKスペシャル選「証言と映像でつづる原爆投下・全記録」やBS1スペシャル「暗号名チューブ・アロイズ~原爆投下・秘められたチャーチルの戦略」などが放映されました。前者はこれまで放映された原爆開発とその使用に関する記録の集大成というものですが、後者は原爆の小型化という革命的技術で原爆開発に英国が大きく関与し、原爆開発に乗り気でなかったルーズベルトの背中をチャーチルが強く押して開発を加速させたという、従来と異なる新しい角度からのドキュメント番組です。英米、カナダなどの20以上の国立公文書館、図書館、資料館、研究所などから膨大な資料を集め、制作した力作というべきもので、NHKならではと思います。
これまで「戦争証言」アーカイブスとして、「証言記録~の戦争」のほか、NHKスペシャルでは「ドキュメント太平洋戦争」などの番組がありました。それらの番組では、生き残った日本人から多くの証言が生々しく語られています。これらの証言が示しているのは、一言で言えば、「なんと馬鹿な戦争をしたものよ。アメリカの国力も知らないで。」でしょうか。証言と共に流される映像には、撃ち殺される日本兵、撃ち落されるゼロ戦、沈みゆく戦艦大和、B29から撮影された都市爆撃の様子、B29から撮影された原爆投下と、きのこ雲など、映画のようなシーンが、実映像あるいはCGで繰り返し、我々の脳に焼き付けられます。我々視聴者は悲惨な場面に胸が痛みます。馬鹿な戦争をした報いだ。日本が悪い。こうなったのは仕方がない。そしてこのような悲惨な戦争は二度としてはならないと思わされます。
米国の国力については、科学研究開発局が科学研究の軍事利用を推進し、レーダー、高射砲弾の近接VT信管、原爆などの開発が紹介されています。米国の科学技術が日本と比べていかに高かったか。特に航空機動部隊を持ちながら、レーダーの軍事価値を過小評価していた日本の軍部の愚かさが強調されます。日本軍の人命軽視、兵站軽視、硬直した人事、合理性よりも情実が入り込む作戦計画なども指摘され、愚かな軍人が主導する日本が戦争で米国に勝てるはずがないことが折に触れて示されます。
米国側からの証言もあります。東京大空襲司令官カーチス・ルメイ将軍の「我々は過激なことをやろうとした。日本人を皆殺しにしなければならない。」という肉声が紹介されています。米国人にとって、日本人は皆殺しに相当する悪なのでしょう。「米国は正義の立場にたって、悪の日本に制裁を加える」ため、ハーグ陸戦条約に違反しても民間人の殺戮を目的とした東京大空襲は正当化されるとルメイ将軍と米国は考えたようです。京都への原爆投下計画を却下され、広島を軍需都市と言いくるめて原爆投下の承認をトルーマン大統領から得た、原爆計画責任者のレズリー・グローブズ少将の「大統領は市民の上に原爆を落とすという軍の作戦を止められなかった。いったん始めた計画を止められるわけがない。」との肉声も紹介されています。広島は原爆の効果を試す格好の標的として、長崎、小倉、新潟と共に挙げられた都市でした。ハーグ陸戦条約に違反する、市民を殺戮する作戦も、番組の、米国の正義の戦争遂行という流れの前では、憤りも失せて我々視聴者は黙って歴史事実を受け入れるほかありません。
米国の国力も知らないで戦争を始めた日本は愚かだったかもしれません。しかし、悪ではない。日本は、米国に暗号電文を解読され、政治的解決の道を絶たれ、追い詰められて米国と戦争せざるを得なかったのです。
NHKの歴史番組では、フランクリン・D ・ルーズベルト(FDR)を取り上げたものはないようです。
FDRが対独戦争をしたくて、日本を追い詰め、真珠湾を起こさせたという見方があります。その陰にはFDR政権に入り込んだソ連工作員の暗躍があったといわれています。かって、この見方は陰謀説として、見向きもされませんでしたが、米国陸軍が戦時中のソ連工作員たちの交信記録を解読し「ヴェノナ文書」として公開したことによって、米国内にいたソ連スパイ100人以上の身元が特定され、多くのソ連スパイがFDR政権に入り込んでいたことが明らかとなりました。ハル・ノートの起草者といわれるハリー・デクスター・ホワイトもソ連スパイでした。今やFDRの陰謀説が疑いのない事実であったことは明らかになっているのです。
太平洋戦争の開戦の本当の責任は日本ではなく、米国にあったという、従来と別の視点から、資料収集の実績のあるNHKで、是非「FDRと太平洋戦争」を、NHKスペシャルで取り上げていただきたいと思います。日本人を元気づけてください。