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   総務省の放送事業に関わる行政の不作為について

    2021.6.20

  

 新疆ウィグル自治区などでの、中国当局による人権侵害の即時停止を求める国会決議案の採択は、公明党及び、自民党の一部の議員の反対で難航していたが、6月16日、廃案となった。中国の人権侵害を非難できない日本は、国際的信用を失ってしまった。一方で、同日未明に土地規制法は成立した。この法律は、防衛施設,原発などの重要施設周辺及び国境離島の土地を「注視区域」として調査対象に設定。不適切利用には中止勧告・命令、あるいは罰則を科すというものである。現在進行中の中国資本による全国規模での水源地を含む大規模な山林などの買収を阻止することができない、完全なザル法である。中国資本による土地取得の禁止まで踏み込めず、骨抜きになったのは、公明党の慎重意見が反映されたからである。公明党は中国共産党の代弁者なのであろうか?

 中国は1999年より、通常戦に加えて、国家テロ戦、外交戦、諜報戦、金融戦、ネットワーク戦、法律戦、心理戦、メディア戦などあらゆる手段、場所を戦場とする「超限戦」を想定し、仕掛けている。2020年1月の台湾総裁選挙で、中国共産党が、インターネットなどによる情報操作に加え、カネや武力を駆使してさまざまな選挙介入を行った際には「制脳権」という言葉も現れた。「制脳権」とは軍事上の制空権や制海権と同じように、民衆の意思をコントロールする状態及びそのパワーのことをいう。中国共産党は日本を「制脳権」下に置くよう日々、活動を続けているのである。公明党はすでに中国の「制脳権」下にあるようだ。自民党は公明党との連立政権を解消すべきである。

 中国が核ミサイルの照準を日本に向けているという現実を、日本の大手メディアは語ることはない。連日、尖閣諸島接続水域に中国公船が現れているが、議論されることはほとんどない。テレビはワイドショー、バラエティ、お笑い番組などで、国民の関心を、中国や北朝鮮発の時々刻々日本に迫ってくる深刻な危険性について、話題を意図的に逸らし、日本人を平和ボケにしているようにみえる。日本の大手メディア、特に放送局は中国や韓国の資本から多くの株が買われ、少なからぬ中国人、韓国人や北朝鮮人の社員が、その番組作製に影響を与えているといわれる。その実態は明かではないが、彼らの活動を阻止できないかぎり、日本の将来はない。日本にスパイ防止法が制定されることを願うが、制定されたとしても、骨抜きにされてほとんど効力は期待できまい。外国からの放送事業への干渉を阻止するには、現行の法律を最大限に活用するしかないと考えられる。

 放送法では、外国人が放送事業者の株を取得することで外資比率が2割以上になる場合、外国人株主の株主名簿への記載を拒否できると規定されている。外国人株主の議決権を制限し、外資による番組作りなどへの影響力を抑えるためだ。これに違反した放送事業者は当然、停波処置あるいは事業の認定を取り消されることになる。総務省は3月26日、外資規制違反として東北新社の子会社の契約世帯数の少ない衛星放送1チャンネルの認可の取り消しを発表したが、同様な外資規制違反が過去にあった大手放送事業者のフジテレビについては、認可を取り消さなかった。

 日本は民主制の国である。民主制(democracy)は自由を尊び多数決を原理とする。民主制は非常に脆弱である。多数決であるがゆえに衆愚政治となりかねないし、自由につけ込まれて外国の干渉を受けやすい。民主制を運営するためには偏らない情報を隠すことなく、国民に提供する必要があり、外国からの干渉を受けないようにする必要がある。放送法は日本の民主制を守るために制定されているのである。その趣旨に沿い、外資規制が守られていなかったことがわかった時点で、総務省は放送事業者の認定取り消しや、少なくとも停波などの処置を行うべきであったろう。放送法も昨今の国際情勢に鑑み、外資の議決権及び株式保有高を0%に、そして外資の名前を公表するよう改訂すべきである。

 放送法の第4条には、放送事業者は国内放送の放送番組の編集に当たっては、政治的に公平であること、報道は事実をまげないですること、意見が対立している問題についてはできるだけ多くの角度から論点を明らかにすることとされている。殆どの放送局は放送法4条違反をしているが、総務省はこれまで、放送法の趣旨に沿って停波処置などを講じてこなかった。総務省の放送事業に関わる総務行政の不作為は目に余るものがある。

 

 総務省のこれらの行政の不作為を司法に訴えることにより、司法の手によって、放送法を最大限に活用させることができるかもしれない。草莽の有志が集団訴訟を起こして、中国の「制脳権」下に置かれている放送事業を変えなければ、日本の世論は健全なものに変わらないと考える。

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