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  中国共産党を正しく恐れよう

       -菅内閣の対中政策への危惧-

 2021.1.13

 

     昨年9月に発足した菅内閣は安倍政権の外交政策を継承するとみられている。しかし、その対中政策は、反中ということでは安倍政権よりはるかに後退していると思われる。中国は、今や、米国大統領選挙に介入し、中国国益にかなう大統領を選ぶべく、米国にサイバー・情報戦を中核とする壮絶な非対称戦を仕掛けているのである。この戦争の舞台は、明日の日本であるという、想像力や危機感を菅内閣は持っているのであろうか。

    日本は安倍政権時に、世界に先駆けて法の支配に基づく「自由で開かれたインド大平洋」の実現を掲げ、各国に参加を呼び掛けた。中国の海外進出に危機感を抱く米国、中国からの目に見えぬ侵略を受けているオーストラリア、中国との領土紛争を抱えるインドが、この構想に加わり、4か国の枠組みが生まれた。中国が「一路一帯」構想や南沙諸島の軍事基地化、尖閣諸島の領有権主張など、領土侵略や覇権の野望をむき出しにしている以上、インド大平洋構想は反中包囲網体制であるべきである。しかし、日本は、「インド太平洋」構想は、中国の「一帯一路」を排除するものではないとしている。菅首相もベトナムとインドネシアを訪問した際の10月21日の記者会見などで、「我が国としてはインド大平洋版のNATOをつくるというような考えは全くありません。」と反中包囲網の構想に否定的な見解を示している。これは問題ではないか。

 

 中国は200基以上の核ミサイルを持ち、その一部は日本に向けて配置されている。我々は、中国と付き合う上でこのことを常に念頭に置くべきである。日本も日米安保条約で米国の核の傘に入っている。お互い様ではないかと言う人もいるが、日本が独自の判断で報復核ミサイルを撃てるわけではない。NATO加盟国ならいざ知らず、米国が、自国消滅のリスクを冒してまで、日本のために中国と核戦争してくれる保障はどこにもないということに思い至るべきである。 “核の傘”というのはあくまで国家間の約束事である。相互確証破壊(MAD)による核戦争抑止というのは、結局、独自の判断で報復の核ミサイルを撃てる国で成り立つ論理なのである。中国共産党は、1999年以来、通常戦に加えて、国家テロ戦、外交戦、諜報戦、金融戦、ネットワーク戦、法律戦、心理戦、メディア戦などあらゆる手段、あらゆる場所を戦場とする「超限戦」を外国に仕掛けている。米国大統領選挙を見るがよい。ロシアの工作やイスラム教徒のテロ攻撃に備え、万全の防諜体制・国家維持体制を有する米国でさえ、中国共産党が仕掛けた超限戦により、トランプ大統領が窮地に立たされているではないか。超限戦、恐るべしである。

 超限戦を支援するために制定されたのが2010年に制定された「国防動員法」と2017年に制定された「国家情報法」である。国防動員法は、中国が有事の際に全国民が祖国を防衛し侵略に抵抗するため、金融機関、陸・海・空の交通輸送手段、報道やインターネットなど、あらゆる分野を統制下に置き、これら物的・人的資源を徴用できるとしている。この法律は中国国内の外資系企業にも適用され、外国に住む中国人にも適用される。国家情報法は国防動員法のインテリジェンス版である。あらゆる組織・個人に対して諜報活動への協力を強制することを旨としている。

 もし、中国共産党が国防動員法を発令すれば、中国に進出している外資系の企業は、中国共産党の管理下におかれ、金融資産や商品は接収されることになる。新型コロナのマスク不足はその一例である。最も留意すべきは日本に住む中国人も中国共産党の管理下に置かれ、その指示に従って行動するということである。これは2008年の長野聖火リレーの暴動で実証済みである。日本国内には現在、100万人近い中国人がいる。彼らを使って、中国共産党が巧妙に超限戦を仕掛けたら、日本は大混乱に陥り、なすすべもなく滅びてしまうだろう。

 まともな想像力と危機意識を持てば、国防動員法のような、外国で破壊工作を合法的に行える法律を持つ国から、人を日本に入れるべきではないのである。日本が存続するためには、超限戦の担い手となる在日中国人の数を減じると共に、超限戦に対処する方策も打ち出す必要がある。2020年7月6日、テレビ朝日ワイドスクランブルでの小松靖アナの「ウイグル問題など(中国関連ニュースには)中国当局のチェックも入りますし、---」の発言にみられるように、TV、新聞などのメディアには工作員が入り込み、その多くは既に中国共産党の影響下にあると考えられる。国会、公共団体、企業などにも多くの工作員が入り込んでいるものとみられる。

 中国共産党の超限戦に対処するため、スパイ防止法の制定や、スパイ活動を監視する日本中央情報局およびインフラの設置は急務である。中国は潜在的敵国であるという認識の下で、対中政策は行われるべきである。習近平の国賓待遇の来日など論外である。

 菅総理の覚悟を求めたい。

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